ペーパレスとPDF化

 デジタル化を進める上で、紙媒体の処理に悩みつつも、そのままにしてしまいがちです。
 当事務所でも、細かくインデックスを付けたキングファイルが数10冊あり、増えるばかりです。ほとんど参照しない書類も多いのですが、廃棄に迷うくらいならとそのまま保存しています。
 そこで、意を決して、PDF化と廃棄を進めることにしました。

キングファイルによる書類イメージ

1.目的と期待される効果

 ペーパレス化を図る目的の1つは、紙保存による維持管理コストを削減することです。事務所の床に直置きしているキングファイルも相当数あり、作業スペースを圧迫しています。
 2つめは、アクセシビィティの向上です。検索できないことから資料を探す手間がかかり、紛失のリスクもあります。データ化した場合でもHDD障害等の可能性はありますが、バックアップは取っていますし、経年劣化もないので安心です。
 一方、デメリットとしては、PDF化に手間がかかることです。ここは、多くの先人が取り組んできたことから、便利なツールで効率化できると期待します。

2.PDF化の方法

 一連の作業で効率化を図るべく、今回使用した機材等を下表に示します。

これまで今回
ホチキス外し一般ホチキス専用リムーバ
スキャン複合機専用スキャナー
書類廃棄シュレッダー業者による処分(溶解)
使用した機材等
スキャナーとホチキスリムーバ(右下)

(1)これまでの対応

 事務所の設備にはADF付の複合機があり、必要に応じて両面スキャンによる取り込みを行い、Adobe社のソフトで編集していました。しかし、複合機のフィード精度低く、曲がってPDF化されることあり、あまり速くない上、詰まることもあります。
 それでも、試しに、キングファイル1冊分をPDF化してみましたが、ホチキス外しとPDF化、空白ページ削除等で、2時間近くかかりました。
 これは、さすがに対策を検討しなければと思いました。

(2)今回の対応

 先ず、ホチキス外しには、専用のリムーバを用意しました。
 これまで書類を裏返して折りを戻していましたが、表から引き抜くことができるので大幅に効率化できます。枚数が少ないと紙が痛むこともありますが、ある程度の厚さであれば意外に上手く外せました。
 次に、スキャナーですが、数社からリリースされている中で、実績あるメーカの一般向けスキャナーを購入しました。専用機だけあり、複合機のスキャンと比べて格段に速く、白紙ページ自動削除などのユーティリティ機能もとても便利です。
 最後に、書類廃棄ですが、保有するシュレッダーでは、一度に処理できる枚数や連続処理できる時間が限られていますので、大量廃棄には向きません。そこで、大手運送業者が扱っている「機密文書リサイクルサービス」にてまとめて処理することにします。

ホチキスリムーバを使う様子
20枚をスキャンする様子

3.実施してみた感想

 現時点で一部しか行っていませんが、円滑にPDF化できそうに思いました。
 紙のファイリングでは、前後関係や紙質、色などから相応に情報を探しやすいのかも知れませんが、文字検索可能な形式での保存を含め工夫を図ろうと思います。
 書類をすべてPDF化する必要はありませんが、今後は、空いた時間に書類の選別・PDF化を適宜進めようと思います。更に、これを機に、古い液晶ディスプレイを廃棄するなど、ECRS(Eliminate:排除、Combine:結合と分離、Rearrange:入替えと代替、Simplify:簡素化)を進めていきます。これにより、頭もスッキリして、更に生産性が上がることを期待したいと思います。

4.まとめ

 当事務所では請求書等のWeb送付などに対応していますが、打合せ資料のデータ保存等により今後の紙媒体保存も大きく削減できるものと思います。地道な活動ではありますが、デジタル化に向けての業務改革は小さく一歩前進でしょうか。

ご興味のある方は、こちらからお願いします。

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