中小企業のIT経営に関する相談を中心に、参考になりそうな事項をQ&A形式で短くリストアップしています。

※質問事項をクリックすると回答が開きます。

[IT分野]

  1. 情報システム
  2. 情報ネットワーク
  3. 情報セキュリティ

[経営分野]

  1. 補助金・助成金
  2. 創業
  3. 経営改善計画

IT分野

1.情報システム

自社に必要なシステムは何でしょうか?

業務を遂行するために必要なIT機器やソフトウェア、クラウドサービスを指します。
一般的に、業務に沿って利用するシステムを業務フロー図などで整理して、ピックアップしてゆきます。

業務分析はどのように行うのでしょうか?

複数の部門・担当者が関連する業務では、業務システムにアクセスするタイミングと合わせて、業務フロー図にまとめて改善点を洗い出します。業務フロー図の細かさは状況に応じて調整しますが、システムの入出力まで記載すれば詳細な動作検証にも利用できます。

業務システムの要件はどのように挙げるのでしょうか?

システムは業務に対応付けて構築しますので、業務に合わせて機能面と非機能面でリストアップします。業務フロー図に整理してピックアップしてゆくと機能的な漏れを少なくできます。

クラウドとオンプレミスのどちらの方が良いでしょうか?

従来は社内にサーバを設置して業務用サーバソフトウェアをインストールして利用していましたが、インターネットの高速化に伴い、システムベンダが構築するサーバで動作するソフトウェアをブラウザから利用するケースが増えてきました。
クラウドのサービスを利用すれば特別なハードウェアを準備・運用する手間がかかりませんが、相応のランニングコストが発生します。

AIを活用したビジネスツールの発案はどのようにするのでしょうか?

ChatGPTをはじめ、ビジネスにAIを活用した多くの事例が報告されています。
拝見した事例では、金属部品の検査で表面画像から良品か否かを判別するシステムがあります。
AIツールのビジネスへの活用方法は、インプットする情報と学習する情報、アウトプットする内容を挙げて検討するのではないでしょうか。

2.情報ネットワーク

自社に適したネットワーク構成はどう考えるのでしょうか?

先ず、社内で接続される機器の一覧、利用しているクラウドサービスの一覧、拠点数などを整理します。その上で、情報セキュリティ要件等からセグメント構成や拠点間接続方法などを決め、ネットワーク構成図を作成します。

ローカル5Gの導入を検討する際の留意事項は何でしょうか?

ローカル5Gの特徴は、WiFiと比べて信頼性が高く安定している、キャリアが提供する5Gと比べて高速・低遅延・多接続のカスタマイズが可能などです。
一方で、有線やWiFiと比べて非常に高コストです。
利用する場面でコストを上回る効果が見込めるのであれば、検討する価値があります。

社内網はどのように構成するのでしょうか?

企業の規模によって大きく異なりますが、例えば、拠点内と拠点間に分けて考えます。
拠点内は、オンプレミスサーバを保有する場合は、大きくサーバセグメントと執務フロアセグメントに分けて構成します。
拠点間は、例えばインターネットとは別に、VPN(Virtual Private Network)を構成して接続します。VPNの構成方法はいくつかあります。
単一拠点で、オンプレミスサーバを保有しない場合は、1つのセグメントで構成することもあります。

3.情報セキュリティ

情報セキュリティの要素は何でしょうか?

情報セキュリティの3要素は、「機密性(Confidentiality)」「完全性(Integrity)」「可用性(Availability)」です。
一般的に機密性の意味で用いる場合が多いですが、それは一部に過ぎません。

自社で採るべき情報セキュリティ対策は何でしょうか?

保有する情報資産や事業内容によって大きく異なります。
一般にそれらを整理した上で、必要な対策(ITシステム、社内規定など)を整備してゆきます。
決して、会社の規模だけで判断されるものではありません。


経営分野

1.補助金・助成金

補助金・助成金はどのようなものでしょうか?

補助金・助成金は、それぞれ目的が定義されており、それに合致した事業に対して費用の一部を補助するもので、多くは申請に事業計画が求められ審査があります。
一定の要件を満たした事業者すべてが対象となる、いわゆる「給付金」とは異なります。

自社に適した補助金・助成金はどのように探したらよいでしょうか?

中小企業向けの補助金・助成金の多くは、国(中小企業庁)や都道府県、市区など公的機関が募集するものであり、多種多様です。年度によって新規・廃止があり、募集要項も毎回変更されます。
すべてを把握するのは事実上不可能ですが、中小機構が運営する「J-Net21」の支援情報ヘッドラインで地域別に検索することはできます。

助成金申請で気を付けることは何でしょうか?

多くは、申請に事業計画が必要であり、要件を十分満たしていることが問われます。
他に、採択前の発注は認められない、費用は後払いなどがあります。
詳細を知るには、個々の募集要項をよく読むことが必要です。

2.創業

どのように考えたら良いでしょうか?

①あれば良いと思うもの・他の地域で提供されているものなどから発想し、②事業内容を詳細に検討してゆきます。その上で、SWOT分析などで実現可能性を確認しつつ、事業計画にまとめるという手順をお勧めしています。

創業について学ぶ機会はないでしょうか?

市区が実施する「特定創業支援等事業」(いわゆる「創業塾」)があります。
内容はそれぞれですが、講師は中小企業診断士や税理士などの士業が多く、費用は自治体が補助するため非常に安価です。

3.経営改善計画

経営改善計画とは何でしょうか?

業績が悪化してしまった企業で、事業を立て直す事業計画を「経営改善計画」と言います。
明確な基準がある訳ではありませんが、大まかな目標として、①3年以内の黒字化、②5年以内の債務超過解消、③有利子負債のキャッシュフロー比率10倍以下が目安です。

経営改善計画の内容は何でしょうか?

業績悪化の窮境要因、事業の方針、具体的実施計画数値計画が主な内容です。
どれくらいの詳しく記載するかは状況次第ですが、例えば、中小企業庁が実施している「経営改善計画策定支援(原則版)では数10ページ、検討資料を含めると100ページ以上となる場合も少なくありません。