事業再構築補助金
令和2年度第3次補正予算にて講じられた支援策「事業再構築補助金」、予算総額や1件あたりの支給額が大きく話題になっていましたが、先日、第1回公募の採択結果が発表されました。
今回は、「事業再構築補助金」についてお話します。
1.事業再構築補助金とは
事務局のページの最上部に、「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための思い切った事業再構築を支援します」とあります。要件により、いくつかの枠が定義されており、通常枠で最大6,000万円・補助率:2/3と中小企業にとっては大型の補助金です。
第1回公募の採択状況では、要件を満たした案件87%、うち採択35%と、相応に難関となっています。
2.要求される事業計画のレベル
公募要領には「合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要」とあり、最大15ページまでと決められています。「ものづくり補助金」が最大10ページですので、それより詳細に記載する必要があります。
そして、概要資料には下記の様な項目が挙がっていますので、事業計画は、これらの項目に沿って具体的に記してゆきます。
- 現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
- 事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
- 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
- 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)
3.事業計画の策定と認定支援機関
皆さんは、上記の事業計画項目についてどう思われるでしょうか。
これらは、事業を始めるときに検討しておくべき、一般的な項目です。そもそも、「思い切った事業再構築」ですので、会社の命運を賭けた事業になるかも知れず、相応の検討が為されているはずですので、詳細に検討すべきです。
また、「事業計画は、認定経営革新等支援機関と相談しつつ策定してください」とあります。つまり、第三者の意見を聞きながら、各項目の内容を深掘りし、矛盾なく「収益が回復する」に至るまで煮詰めることが求められています。
従って、再構築事業について企業内でよくご検討された上で補助金応募を決めるべきですが、実際にお話を聞いてみると検討が十分でない企業がほとんどです。
4.まとめ
他の補助金における事務局アンケートによれば、「補助金の採択に至らなかったが、事業計画策定を通じて事業を見直すことができて良かった」とする意見が多く寄せられています。事業計画策定作業は、それ自体大変ですので、そにうち「補助金を獲得すること」が目的化してしまいがちですが、あくまで、事業計画策定を通じて事業をどのように成長させてゆくのかを考え、その予算面で支援が得られると考えるのが本来の補助金活用方法です。応募をご検討される方は、それを忘れないようにしてください。
当事務所は「認定経営革新等支援機関」であり、事業再構築補助金の事業計画策定にも携わっています。ご興味のある方は、事務局サイトにある概要資料や手引き、要綱等をご確認の上、こちらからお願いします。